3Dプリント技術の採用
KD-Q1は、KuraDa製品として初めて3Dプリンティング技術を採用したモデルです。従来のSM技術(サブトラクティブ・マニュファクチャリング)に比べて、AM技術(アディティブ・マニュファクチャリング)は高い設計自由度を持ち、複雑な内部構造を持つ製品の製造が可能です。
■HP Jet Fusionによる3Dプリント
KD-Q1の部品は、HP Multi Jet Fusionテクノロジーで製造されています。この技術は、粉末材料に高精度の液体エージェントを噴霧し、熱を加えて層を形成することで、複雑な形状の部品を短時間で高精度に大量生産することが可能です。
■筐体材質にPA12GBを採用
KD-Q1のハウジングには、PA12GB(ポリアミド12 ガラスビーズ充填)材料が使用されています。この素材は、PA12をベースに40%のガラスビーズを含んでおり、高い引張強度と耐久性を持ち、長期間の使用でも性能を維持します。また、化学薬品への耐性や軽量性、優れた振動吸収特性も併せ持っています。
革新的な技術がもたらす、
音質と快適さ
Ultra-Responsive Diaphragm
(URDドライバー)
KD-Q1は、53mmのダイナミックドライバー「URDドライバー」を搭載しています。薄型のPETダイアフラムとOFCボイスコイルを組み合わせることで、軽量かつ高い応答性を実現し、特に低域の表現力が向上しています。
主な特徴
■ 軽量ダイアフラム
薄く設計されたPETダイアフラムにより、軽量でありながら優れた応答性を確保しています。
■ OFCボイスコイル
OFCボイスコイルを採用することで、振動系の質量を増加させ、f0(共振周波数)を低く抑えます。一方で、薄型ダイアフラムにより、全体の質量増加を最小限に抑え、質量とダンピング比をバランス良く維持しています。また、OFCボイスコイルはCCAW(銅被覆アルミ線)に比べて約30%高い導電性を持ち、低抵抗により応答性を向上させます。
立体縫製イヤーパッド
KD-Q1のイヤーパッドは、日本国内の熟練した職人による手作業で丁寧に縫製されています。この3D縫製イヤーパッドは、低反発ウレタンを立体的にカットし、人間工学に基づいたデザインで頭に自然にフィットするよう設計されています。日本独自の技術と職人のこだわりにより、音漏れを抑えつつ、圧力を均等に伝え、優れた音響特性を提供します。さらに、耳に触れる部分には高耐久性のプロテインレザーを採用しており、長時間の使用でも快適な装着感を保ちます。このように、日本の品質と精緻な技術が融合し、快適さと音質のバランスを見事に実現しています。
製品仕様
モデル | KD-Q1 |
ドライバー | 53mm URDドライバー |
ボイスコイル | OFC |
インピーダンス | 75Ω(1kHz) |
感度 | 84dB/mW(1kHz) |
周波数特性 | 20 - 20,000 kHz |
重量 | 296グラム |
ケーブル | 1.2m 4芯OFCケーブル |
プラグ | 6.3mmステレオ |
KD-Q1は、KuraDaがこれまでに培った技術を基に開発された製品です。「常に革新的であれ」という理念のもと、「堅牢さと耐久性」をテーマに設計されています。音質、耐久性、快適な装着感といったヘッドホンに求められるあらゆる要素を、高次元で満たしたモデルです。